ふぉとde日記

思いついたことを撮ってきた写真とともに綴ります。できれば毎日シャッターを切りたいところですがマイペースにやっていきます。風景写真を中心に鉄道・風景・スナップ・Jリーグなど。たまに時事的な話題も。

説明だけ、からの脱却へ

今回は少し長く言葉をつづろうと思うのでこちらに書き込んでみます。

「写真」とはなにか。

 

最近よく考えるようになった。

逆に言うと、これまでの写真人生の中で深く考えたことはなかった。盲目的だった。

その理由も1か月くらい考えてふとわかったような気がする。あとで述べようと思う。

 

写真と一口に言ってもいろんなタイプのものがある。
スマホから8x10などの大型フィルムカメラまでいろんな撮像素子のサイズがあり、いろんな仕組みでシャッターが切れるようになっている。自分が以前持っていたものではフィルムカメラのNIKONF2は電池を使わない機械式のシャッターだったし、先日開発発表されたソニーのα9Ⅲはグローバルシャッターといわれる新たな電子シャッターの方式を搭載し、ストロボ同調速度の制限がなくなったりローリングゆがみが解消されるなどそのカメラでないと撮れない写真というのも出てきているのが事実だ。

NIKONF2で撮ったスナップショット。大学写真部の暗室で自分で現像。
恵まれていた環境だった。

そんななかで、我々写真を撮る者は自分の身の丈に合った機材を選び(その多くは大枚をはたくことになるが笑)写真を楽しむ。自分の場合、どうだったであろうか。

写真を始めたきっかけは「鉄道写真」だった。中学生だった当時買うことができたのは背伸びをしてもAPS-Cサイズの中級機。当時は連写が毎秒6コマでも速いといわれた。広角から標準まで一通りそろえて鉄道を撮っていた。面白いことに単焦点など写真特有の表現ができるレンズを持ってはいたがほぼ使った記憶がない。当時は全国の鉄道をめぐり、知らない土地の知らない駅で降りて写真を撮る。楽しかったし、旅が好きになった原点でもある。それ自体はいい経験だった。ただ、「写真」という側面でみるとどうだろうか。撮ってきたものは「説明的な写真」だったのではないか。
たとえば、下の写真。

これを見た人は何を感じるか。それは写真だから十人十色である。しかし、しっかりと説明することができる。「夕刻に雪がちらつくなか山際を列車が走り去っていた。空色も相まってどこか旅情を感じます。」と。つまり、鉄道という「主題」があってそこにどんな副題を合わせていくか。この写真だと車両が主題、副題が雪と夕刻の空の色。あれ、説明と全く同じになってしまった。まるでパズルのようだ。

せっかくなのでもう一枚くらい見てみよう。こちらは鉄道写真感を薄くした。

鉄道車両自体は写っていない。某鉄道フォトコンで入賞した作品であるが一見するとスナップ写真のように見える。でも、どうだろう。もし、スナップ写真として切り取るならこういう撮り方をするだろうか。そうは思わない。まずは、この写真を説明してみよう。「ローカル線の駅のベンチで列車を待ちぼうけするカエルを見つけました。自分も隣に座ってのんびり列車を待ちます。」ここで重要なのは「ローカル線の駅のベンチ」だ。要素が少ない中で何とかそれを説明しようとして作った構図がまさにこの画面左半分の部分ではないかと思う。無意識に「説明しよう」と構図を作っていたのだ。カエル×自分、光、時間etc...鉄道以外のほかに反応したらもっと違う撮り方になって、それは明確に鉄道を説明するために意図した構図ではないといえるだろう。

つまり、鉄道写真はよくよく考えてみると説明的性格が強く、主に鉄道写真を撮っていた当時の私は説明的に写真を撮ることに無意識に慣れていった。


大学に入ると、鉄道以外のいろんな部分に目を向けようと様々なジャンルを撮ろうとした。少しポートレートを撮ってみたり、スナップしてみたり。結局、田舎や自然が好きだったので風景をメインに撮影するようになった。

風景を撮り始めたときの写真だ。どうだろうか。1つコメントを言うとしたらなんだろうか。それぞれ考えてみてほしい。

それは「作為的」というコメントだろう。右上の紅葉した葉っぱを見つけた。それを主題に水の流れを心地よく配置する。主題を何にするかを選ばなくてはいけないという点が鉄道写真と違うが実はそのあとの絵作りのプロセスは同じではないか。この写真は紅葉の葉が小さいなど完成されていない、、、おっと、ここでまた引っかかる言葉を使ってしまった。「完成されていない」とはどういうことか。正解があるのか?そういうことになる。その正解はオリジナルな理想や作品を成り立たせる何かを写すということか、それとも過去に見たイメージの中から無意識に作り出したものなのか。この写真を撮った当時の僕の頭の中にあったのは後者だろう。それに近づけようと努力したのだ。決してそれは悪いことではない。その作業自体と出来上がったイメージに満足できればそれでいい。話が飛んだが、この写真も説明的だ。「渓谷の清らかな水の流れに晩秋を思わせる紅葉の葉。心安らぐ。」逆に言うと他に説明する余地がない、とでも言える。

もう1枚見てみよう。

昨年撮った波だ。いつでも撮れそうではあるが岸壁の上から波の向きや荒れ具合、海の色など条件がそろう必要がある。そしてだいぶグラフィカルになった。「荒れ狂う波」と説明はできるが、強風を感じたり、荒れているのに青い海の色に違和感を感じたり、同じ波は2つとない、と考えたり先ほどの渓流の写真よりいろんなとらえ方ができる。それは関係性を説明しようとしてないからだと思う。そういう意味では説明的という枠からは少し外れている。力強いしいいと思ってくれる人もいるかもしれない。ただ、どうだろう。写真という2次元の枠から広がっていくような、余白はあるだろうか。最近の自分の課題点である。被写体を見つけ、それが輝くように「調理」してしまった結果がこの写真なのではないか。その行為自体何も悪いことではない。写真の楽しみ方であるし、これを撮っている自分はとても楽しかった記憶がある。波を見定め、シャッタースピードを変えながらカメラを振る。時間を忘れるほどだ。まるでカメラという機械を使って絵をかいているかのような気持ちだ。ただ、「調理」という過程が写真の余白をそぎ落としているのではないか。

せっかくの機会なので近年の写真を数枚並べてみる。



少し分野を変えてみよう。2021年の新聞協会賞に選ばれた写真だ。私自身、すごく好きな写真である。毎日新聞貝塚フォトグラファ撮影だ。

コロナという見えないものが防護服で可視化される。右上には遺影だろうか。家族のストーリーを想像できる。老人ホームでコロナ渦を過ごしていた自分の祖母はどうだったのか。そこまでいけばこの写真はもう新聞という媒体から独り歩きを始めているといえる。そして少し意外かもしれないがこれも「決定的瞬間」であると思う。記事冒頭にもあるが「撮ったもん勝ちの世界」なのである。説明的な報道写真の中でこの写真はすごくのびやかだ。それでいて「コロナ渦の再会」という社会的事実を的確に伝えている。
ふと思った。この場面を違う方法で表現してみることはできないか。ちょっと面白いので思考してみよう。(※1)といってもわかっている場面から逆算するのですごく卑怯だが。まず前提で「撮り手が老人ホームにいる祖母に会いたい」と思っているとする。宇宙服のような防護服で再開している場面を知り、撮らせてもらうことになった。二人のポートレートを撮る。それお母さんは左半分、娘さんは防護服、マスク越しに右半分だ。ホームに入ってくる光を撮る。遺影も撮る。そして娘さんの顔は撮ってあるので思い切って再開の瞬間はお母さんにフォーカスする。すると結果的にビニールをつぶしながら笑顔を見せるお母さんの表情が撮れただろう。この4枚を仮に組んでみたらそれは一枚一枚は「窓」にはならない。だが、4枚合わせて「読む」といろんなことが想像できる。この1枚の写真のようにすべては語れない。逆説的だが4枚使っていてもむしろ情報量は少ない。それでも、一枚よりも読み方は多彩になることは違いない。撮り方によっては「うらやましい」と感じる撮り手の気持を載せていることにもなる。

小林紀晴先生の著書「写真はわからない 撮る・読む・伝えるー体験的写真論」(光文社)の第4章が、写真は「窓」「鏡」か、というテーマで書かれている。報道写真は間違いものなく「窓」になる。多くの人が見えないものを窓から見せてあげるように現実を切りとる。そこに写るものは写っているものが画面上で関連性をもって語られなければいけない。一方、「鏡」とはなにか。簡単に言うと自分を投影するということだ。つまり、極論本人しかわからないかもしれない。ただ、写っているものや周辺情報から鑑賞者が考える。そして、写真が鑑賞者個々人の中で読まれてい。理解されていく。撮影者の意図と違うものになるかもしれない。それもの可能性も「写真らしさ」として撮っていくのが「鏡」としての写真なのだろう。もしかしたら(※1)も「鏡」になりうるかもしれない。


自分の話に戻そう。ここまでいろいろと書いてきたが、つまるところ今まで自分にとっての写真は紀晴先生の言葉を借りると「窓」だったのではないか。鉄道写真でも風景写真でも「こんな場所があるよ」「こんな景色があるよ」「こんなストーリーが自分には見えたよ」画面の中の被写体同士が共鳴しあう。一枚完結型、視点は一人称というよりも三人称だ。そこに盲目的になっていたというか、もっと自由な写真があっていいことに気が付けていなかった。いろんな方と話していく中で、気が付けてきたのだ。すこし、このままだと「表現」としての写真に限界を感じていた。それはそうだ。一枚が完成されてしまっては、断片のイメージをつなげて自分を写真という「鏡」に投影できない。
最近撮った猫の写真だ。

この一枚ではよく状況が分からないかもしれない。説明的な癖が出ている気もするが、青い瞳の猫。自分を見つめて動かない。見つめあう。ふと、後ろに2匹いることに気が付く。猫のまなざしを通り越して奥の林に意識が行った。「個性的だな」不思議なねこの世界になんとなく入りたくなって撮った一枚だった。

ぶれててもボケてても記憶の色にしてもいいかもしれない。凝り固まった写真へのアプローチを少しずつ変える。説明しない写真、わからなくてもいいじゃないか。でも、写真を重ねていくことで写真自身が歩き出してくれる。自分の感覚で撮り重ねたものが鑑賞者と歩んでいけるように。それが写真の面白い部分だと最近思う。今年から動画を撮り始めたことも影響しているのかもしれない。写真で頑張って説明していることをじつは映像だとより効果的かつ簡単に表現できたりする。まだまだヒントを得たに過ぎない。実践と学習を繰りかえして「窓」「鏡」も習得できるように向き合っていきたい。スタートラインに立ったばかりだ。

新しいものとの出会い ~オーストラリア・ケアンズ~

久しぶりの更新になります。

新たにHP

https://www.yutohoshinophoto.com/

を立ち上げ、そちらで日々の発信をしております。

こちらでは長尺ものをたまーにあげていこうか、というところです。

といっても長尺ものはあまりないので頻度はめちゃ低いです^_^;

 

今回は、コロナ後でようやく行けた海外の旅行記です。
オーストラリアはケアンズ周辺に4日間のショートトリップ。

お米が恋しくなる前に帰国する長さですね笑

 

あくまで備忘録としての旅行記なので写真の質は1ミリも担保しません笑

スマホ写真も多いです。

もし、オーストラリア・ケアンズ近辺に旅行予定の方がいたら参考にはなるかと思います。

帰りの飛行機の時間で書いた散文です。文章の質も1ミリも保証できません!

それでも良ければお読みください^^
※以下の情報は2023年8月、Queensland・Cairns周辺のものです。オーストラリア全土の物ではありせん。

チラゴーで見た天の川

Day0-1

北見市内の自宅を午前6時に出発。前日、突発の仕事があり帰社したのが午後9時。そこから夏休み前に片づける諸々の雑務を終え日を超えてから帰宅、荷造り、仮眠。

この時点で体力的に厳しい^_^;

5時間半走って新千歳へ。そこから成田を経由してケアンズ空港に着いたのが翌朝5時30分。乗った飛行機はジェットスターのJQ26便。ボーイング787、成田-千歳便はエアバス320とかなのででかいLCCは久しぶりでちょっとうれしい。当便はケアンズ空港での着陸時の制限?で1時間半遅れて出発、到着したのでした。

 

 久しぶりの海外で、うっかり入国スタンプをもらい忘れ、入国審査でなぜが僕だけ鞄の中身を全部出させられた(お前はカメラ何個持ってんだ?といわれ最後はモバイルバッテリーを入れてあったケースを見てカメラだと思われる始末^_^;)等々あって無事入国。日の出後で涼しい風と朝の光が空港を包んでいました。

 

 今回はレンタカーを借ります。今回は空港にカウンターはないものの3㌔ほど離れた場所に店を構え送迎もしてくれる「East coast car rentals」を予約。予約メールのリンクで送迎の配車をするシステム。当日の開店時間(7時)からリンクが有効になります。15分ほどして送迎車が到着。リンク先では配車の車とドライバーの顔写真も表示されて至れり尽くせり。

どんな車か分かりやすくて迷わない

 お店でも借りるのは簡単。ネットで予約した内容を繰り返し説明されるだけなので予約時に保証などのプランを時間をかけて読んでおけば現地で聞き取れなくても問題なしでした。今回のお供はKIA motorsのRio(初耳!)。1番安いクラスの車種指定なしだったのですが、いい車あたった気がします。排気量もそこそこあって高速運転もストレスなかったです。NOTEとかVitzより好きでした。値段は丸3日で375AUD。高めですが仕方ないですね。


 オーストラリアは左側通行、右ハンドルで日本と同じです。都市間を結ぶ道路は基本100㎞/h~80㎞/h規制、線形によりカーブ部分が60・40㎞/hになったり、町に近づくと60㎞/h~40㎞/hなどに。町を抜けるとまた100㎞/h~80㎞/hに戻る感じ。十字路は町の中心部ではない限り、基本環状交差点(日本だとあまり見ないアレ。個人的初環状交差点は富士山麓白糸の滝近くのあそこ笑)で信号もなくすいすいです。

 ただ、一つ大きく違うのが踏み切りです。ケアンズ都市部を除いて遮断機がないのです!列車が通るときには踏切にある赤信号(日本で言う警報器?)が灯る仕組みです。「STOP ON RED SHIGNAL」とのことで日本みたいに一時停止の義務もないそうで皆さんビュンビュン通過していきます。とはいえ、日本人としては無意識に止まってしまうもの、、、踏切内で追い越しされたこともありました。オーストラリアでは逆に危ないので止まらずに通過しましょう。


 さて、どこにいこうか。成田での乗り換えで調べたくらいの下調べしかしてないゆるーい旅。

ケアンズの北に行くと世界最古の熱帯雨林(デインツリー国立公園)と世界一の珊瑚礁グレートバリアリーフ)があるらしい。海に入る気はなかったのでとりあえず熱帯雨林のほうへいってみよ。

っと、まだ携帯を開通してなかったのです。なんと、ケアンズ国際空港の到着ロビーにはSIMカードを売っているお店がないのです。途中のSmithfield(スミスフィールド)のショッピングセンターへ。Kmartというなんでも売ってるディスカウントストアでSIMを発見。しかも半額!ラッキー!5GBで10AUDと悩みましたが半額につられて30GBを購入(結局5GBで足りましたが^_^;余裕があることは大事なので)。
キャリアはOptus。2日に行った内陸部のチラゴーでは電波通じなかった(もしかしたら再起動していたらつながっていたかも、周りの人たちピコピコ鳴ってので、、、)ですが、デインツリー、アサートン、ミラミラなど周辺の都市ではしっかり4Gが使えたので不便は感じませんでした。
帰国時に気がついたのですが、プリペイドSIMなのに期限後も同じ内容を契約するサブスクになっていました。解約しても期限までは使えるとのことなので忘れそうな方は開通時にSubscription canceled しておきましょう。

 スミスフィールドから1時間ほど、昼前に世界遺産地区のMossman Gorge(モスマン渓谷)に到着。日本人を含むアジア系の方は見当たらず。「どうやって渓谷に行くのか」と聞くと「シャトルバスで行く。往復14AUDだ」といわれたので、チケットを買って渓谷へ。

 川遊びで有名なのか多くの方が川に入って遊んでいました。オーストラリアを含め、欧米系の人たちはアウトドア好きなんですね。今回、アウトドアスポットを巡ったわけですが(自分がプラン組むと国を問わずそうなります笑)日本に比べて多くの人がアウトドアを楽しんでいるのが印象的でした。なんか、いいなって思っちゃった。

 川遊びスポットから1時間ほどで回れる周回散策路があったので行ってみることに。熱帯雨林ですが、そこまで覆い茂っているわけではなかったです。植生的には沖縄のやんばるの森って感じでした。あ、なんとなくの印象ですよ。

 

 その後はDaintre(デインツリー)へ行ってみることに。世界遺産エリアに向かうにはデインツリー川を船で渡る必要があります。料金所で値段を聞いてみると「往復で47AUD、片道で27AUDだよ」「片道だとどこ行ける?」「でも、あなたの車じゃいけないね。4WDが必要だよ」と。

川幅100mちょっとの川を渡るだけで5000円近くとられるのはさすがに高い!鹿児島―桜島のフェリーを見習ってほしい笑。時間も午後だったのでUターン。ちょうど料金所の近くにあった「Daintree river crocodile&wildlife cruse SOLAR WHISPER」のカウンターへ。運良く30分後のツアーがあり、値段を聞いてみると30AUDとのこと。せっかく来たので参加です。

 ツアーはオーストラリア人10人ちょっとと僕1人。川岸に大小さまざまなワニを見れました!ぜんぜん動かないから迫力とかなかったですが野生のワニなんて初めて見ます。船頭さんがガイドしてくれるのですがネイティブイングリッシュについていけるほどの英語能力はなく、、、皆さんが笑っている時も苦笑いするしかなく^_^;英語できないとこんなに悔しいんですね、、、

他、カワセミみたいな野鳥も観察。あっという間の1時間でした。

 先述したとおり、限界な状態で旅に出ている(実は出発前日も突発の仕事で十分に寝れてなかった)のでMAREEBA(マリーバ)まで行こうとするもエネルギー切れ。途中の田舎町Mount Molloy(マウントモーリー)で夕焼けを見て、近くのホテルにあるレストランで夕飯。ワニ肉の春巻きとハンバーガーとジンジャーエールで34AUD。高い。でも仕方ない!
もちろん宿も決めてないわけです。この旅では南天の星を見ることも目的だったのでいつものように車中泊が都合いいわけです。ただし、車中泊は法律で禁止されており駐車場で寝ることはできません。唯一認められているのがキャンプ場。オートキャンプということにすればいいのです。マウントモーリーの少し北側に指定キャンプ地があり、既に多くのキャンピングカーやキャラバンがキャンプを楽しんでいたのでそちらで仮眠。

マウントモーリーの町並み

Day2

 この日の月の入りは23時頃。翌3時に起きて外を見てみると、、、一面の雲!!!ここにいても仕方ないので南に車を走らせます。すると、星が見え始めたので道路脇に車を止め空を見上げると、、、オリオン座が反転している!!!話には聞いていたわけですが実際に目の前のオリオン座が逆さなのを見ると驚きです。そして、南の方角に目を移してみると、、、あ、こ、これは!マゼラン星雲(大・小)!!!と大興奮の夜でした。なんか、見たことのない星を見ると自分の常識が間違えているのでは?と思うくらいですね。

  マリーバに移動。途中、霧の虹もしっかりと見られていい気分。メカニズムは日本と同じなので気がつけました。(散歩中のおじちゃんに何撮っているのか聞かれて「White bow」といったけど興味なさそうだった。もしかして伝わってなかった?それとも日常茶飯事?笑)休憩がてらコーヒースタンドでコーヒーを飲んだりスーパーで買い出ししたり。(朝と昼はスーパーのパンでしのいで夜はちゃんと食べるようにしました)



 マリーバから20分ほどのGranite Gorge(グラナイトゴージ)国立公園へ。ここでは餌付けされた野生?の「ロックワラビー」とふれあえます。もちろん餌もあげられます。めちゃかわいい。入場料(キャンプ場併設でキャンプする人はキャンプ代も含まれているそうでお得かも)16AUDとワラビーの餌代2AUDがかかります。人間が餌を持っていることを知っているワラビーくん。人によってきて足をクンクンしたり、人間がしゃがんで餌をあげているのでしゃがむだけでぴょんぴょん来ます。餌を手のひらに載せて差し出すと指に前足を載せてぺろぺろむしゃむしゃ。めちゃかわいい。そしてめちゃオーストラリアっぽい。ケアンズからも遠くないので観光におすすめです。日本の方もツアーで来てたりしてました。ワラビー以外にも岩が作る景色がダイナミックで良かったです。

 

 そこから、今回のメインChillagoe(チラゴー)へ。マリーバから140㌔ほど。そう遠くない。途中Dimbulah(デンブラ)という町を抜けると荒涼とした風景が続きます。でも舗装されているので問題なし。むしろ楽しいドライブでした。至る所でワラビーが轢かれていたのでがかわいそうでしたが、、、その後、Petford(ペットフォード)やAlmaden(アルマデン)などの町を過ぎてチラゴーに13時に到着。途中看板で「チラゴー国立公園の洞窟をレンジャーと行くツアーは9時、11時、13時半です」と書いてあったので13時半のやつに間に合うように寄り道せずに来たのでした。(いくらか知らなかったけど)

 

 チラゴーの国立公園チケットセンター(郵便局と併設)でどんな洞窟に行けるのか聞いてみます。といっても詳しく聞くほどの英語力はないのですが、、、レンジャーのガイドが必要な洞窟は3つ。9時のツアーがDonna Cave、11時のツアーがTrezkinn Cave、そして13時半のツアーがRoyal Arch Caveです。1つのツアーで大人1人31.25AUD。国立公園のツアーで3000円くらいなら適正価格でしょう。知床とかみてもそんな気がします。そして、ガイド無しで行けるのが3つの洞窟(Bauhinia Cave, Pompeii Cave, The Archiways)。そのほかにBalancing Rockなど景勝地もガイド無しで見学できます。

チケットセンター

 

 13時半のツアーに参加。チケットを買って現地集合です。現地に行くとこれもまた、多くのオーストラリアの方々が。家族連れも。自分を入れて18人くらいだったでしょうか。バッテリー式の懐中電灯を首から提げ、いざ出発です。ここでも、残念ながらガイドの内容を理解することはできず、、、無念。。。それでも、日本で入る洞窟よりも規模が大きく壮大でした。

 ツアーの後は自分で行けるスポットを探検。Balancing Rockは簡単アクセス。これも地球の風化を感じられる良いスポット。オーストアリアは広大な大地なのでまさしく「風化」って感じがしますね。南半球(約南緯17度)なのでもちろん今は冬。日中は25度を超える夏日でしたがどこか木々たちは寒々しく冬の装いをしていました。

Balancing Rock

 洞窟も探検。Bauhinia Caveに入ろうとするも入り口の急斜面で挫折。次のPompeii Caveはちゃんと中まで入れました。こじんまりとしてましたが、岩ひとつひとつが大きくゴツゴツしていていい場所でした。また、町には多くの鳥やワラビーがいて賑やかで楽しかったです。

Pompeii Cave

 

 さて、メインである星観察のためにこの日も車中泊をしたいところ。オーストラリアには町にキャンプ場や売店、レストランを備えた「Tourist center」なるものがあります。運転しているとあちこちで見かけました。チラゴーにもあり、キャンプを受け付けてくれたので無事寝床も確保。スーパーもなにもないのでラムチョップ(30AUD)を頂きました。

月夜なのに天の川がうっすら見えた(写真左上)ので期待が高まる


 この日は昨晩よりも星がきれいな場所だし、車がある最後の夜なので本気。月が沈む0時前に仮眠から目覚め、天の川を撮影。これは、すごい。。。過去一の天の川は沖縄県波照間島で見た天の川でしたがそれに匹敵するほどでした。天の川の見える部分が南半球のほうが大きいのでそれを加味したら過去一かもしれません。天の川の濃淡を肉眼で見える幸せです。(道東でも見えますがほんとにアーチなっていたのは初めてでした)天の川が沈んだ後にはマゼラン星雲もちゃんと見て満天の星空を楽しんだのでした。

逆さのオリオン(左下)とマゼラン星雲(右)

Day3

 夜興奮しすぎて遅めの8時起床。Atherton(アサートン)方面に帰ります。街中を歩くもあんまり面白くなかったのでスーパーでご飯を買ってMillaa Millaa(ミラアミラア)へ。途中、Malanda Fallls(マランダの滝)と周辺の森を散策。森にはTree Kangarooという木登りするカンガルーがいるらしい。探したけど会えず。。。

会えず、、、

 ミラアミラアでは3つの滝(写真上からMillaamillaa Falls, Zillie Falls, Ellinjaa Falls)を巡れる周回道路があり、ドライブしながら制覇。まっすぐな正当派なミラアミラアの滝、岩盤から一気に流れ落ちる豪快なの滝、岩肌を伝いながら流れる優雅なエリンジャの滝、と特徴の異なる滝が楽しめるのはうれしいです。ただ、ジリーの滝はちょっとアクセスが大変でした。登山道みたいな道だったのですが、そこを裸足で歩く強者もいてすげぇ、、、と。せめてサンダル履こうよ笑。ミラアミラアには他にも滝が多くあるそうです。

 

  YUNGABURRA(ユンガブラ)でCurtain figと呼ばれるまるでカーテンのように寄生した植物がホストの木から垂れ下がっている名所や野生のカモノハシをみられる観察台(Platypus Viewing Platform)でカモノハシがスーと泳ぐ?ところをみたり、探すといろんなポイントが出てきて楽しめました。

 最後はカモノハシ見てたおじちゃんから「いいカメラ持ってるねBrom Field Swampでホッカイドウ、クシロのツルの仲間を見ておいでよ」と言われたので行ってみたのでした。そしたら、2万年前まで活動していた火山のクレーターの上にできた湿地だそうで最後にいい風景に出会えました。その後の丘陵地帯の夕日も素晴らしかったです。

 ケアンズのナイトマーケットを散歩し、車を返して(営業時間終了後も車を所定の場所にとめて鍵をキーボックスに入れるという仕組みで返却できました。時間に追われずにすんだのでありがたかった!)ドミトリーの宿に身を寄せたのでした。

閉店後は鍵をボックスに入れて翌朝チェックのメールが来る仕組み

Day4

 近くのビーチを散歩して、タクシーで空港へ。なんか、10人乗りのでかいのが来てめちゃ高かったけど空港から近いのでダメージは最小限。JQ25便に乗って成田空港に降り立ったのでした。

 

 初めてのオーストラリア。初めての海外運転。初めて見る動物たち。沢山の初めてが待っていました。車を借りられたことで普段日本でやっている旅のスタイルをそのまますることができてすこし不思議な感じでした。一方で「海外旅行感」はすこし薄かったかもしれません。まあ、異文化というよりも異国の大地と遊んできたとでも言った方がいいでしょうか。気候も過ごしやすく、天気にも恵まれ充実した4日間でした。海はノータッチだったのでそのうち行ってみたいです。今度オーストラリアに行くときはSUV借りてアウトバックを走ってテント泊しながらもっと内陸に行ってみたいです。ただ、物価が高くてご飯がおいしい!って感じじゃないのが玉にきずですね(^_^;

帰りのフライトで見たグレートバリアリーフ

旅を終え、成田に降り立つ

 

 今度は、スナップをメインにした海外旅行っぽい旅をして、その次は念願のアイスランドかな、と思っております。

もし読んでくださった方がいたら御礼申し上げます。

(おわり)

大人の遠足~2回目のTCC~

ブログはご無沙汰しておりました。

元気ですがいろいろと遊びすぎて家に全然いなくて書く時間がありませんでした。

 

今回はフォトコン誌・風景写真誌が主催するTCC(チームチャンピョンズカップ)2022に参加してきたので楽しい「大人の遠足」を感想とともにつらつらと書きつづってみます。行程も書いちゃうので参加されたチームの方は「へ~」と楽しんでください^^



TCC参加は2回目。TCCは5人1チームを作り時間内に撮影した写真で勝負する風景写真の大会。写真を一枚ずつ出し合い、どちらが優れているかをジャッジの先生方が瞬時に判断。多くの票を得たほうが勝利となり、5戦のうち3戦以上勝利したチームが勝ち進むゲーム。前回は大学3年生の時に学生チームを組んで出ました。当時は学生版TCCの「PMIC」で優勝して大人の世界に飛び込んだ形でした。

結果は初戦敗退。優勝チームに惨敗したのでした。

 

当時の記事はこちらから

camerakuma.hatenablog.com

 

2回目の参加はジャッジ席に座っていてもおかしくない三村さんや萩原れいこさんを含む先鋭たちのチームに参加させていただきました!

チーム名は「漢ジャニ6」。5人に加え、萩原俊哉さんの精神を受け継ぐという意味で「6」。そういうコンセプトもあり、「ゲームの特性上読めないジャッジに評価されやすい写真を撮るよりも各々が撮りたいように撮影しよう!」という方向性になりました。クライアントに提出する写真でもないんだから、写真は自分が撮りたいもの、好きなもの、表現したい世界を撮るべきだ、という認識でした!

 

日にちは10月15・16日。北海道からの移動の関係でほかのチームメイトは13日から下見を開始していたのですが14日からの参加に。前日にはみんなで焼肉食べててうらやましいなぁ、、、と思いながら中央道を一路西へ。

まずは蓼科大滝を下見。滝の部分ではなく手前の渓流部分や原生林の森が「バリエーション撮れる」「日中でも山肌に日が当たれば影の渓流の部分でいろいろと絵が作れそう」と有力候補に。特に北海道にきてから何人かで撮影をすることが少なかったのですでに楽しくなっていました^^

次に北八ヶ岳ロープウェイを利用した先にある「坪庭」へ。溶岩が作る独特の地形で何かいい作品が撮れないか、という狙いでした。光が入ればいいかな?とか溶岩の黒色やごつごつとした岩肌を生かすイメージを考えました。ここは作品を作れそう、という意見と無理、という意見が2つ。候補地として保留に。



湧き水も下見してお昼ご飯へ。お目当てのお店がやってなかったので空いてた「食堂」へ。実はここ、焼き肉屋でした。念願の焼肉!といってもジンギスカンでしたがこれが結構おいしいジンギスカン

 

さて、腹を満たしたら白駒池へ。実は初めて。自分でも意外。何度も素通りしてました。ちょうど紅葉の見ごろで霧が入っていて見事な風景。ただ、平日なのに人が多く池の近くで撮影できる場所が少ないこと、霧がないとのっぺりしてしまうような気がして場所はいいものの優先度は低めに。

 

  




途中とろろ昆布、、、ではなくサルオガセの森へ。個人的には撮るのがむつかしいと感じましたがほかのメンバーは撮る気満々。やっぱりみんなで撮影しているとおもしろい。

超有名スポットの御射鹿池も下見。「キレイな風景はシンプルにキレイだね」「人が集まるのもわかる」と観光みたいな時間も。

最後に夕方の定番乙女滝へ。とてもいい光が入ってきてみんな撮影に夢中。いい絵が撮れたとしても定番だし、バリエーションがつかないとの理由で行きたいけどどうしようか、という悩みの種へ。

 

この日は「魚が食べたい」とのことで海鮮居酒屋へ。僕は焼肉が食べたかったですが前日食べていたとのことでぐっとこらえて海鮮へ。馬肉が水っぽくてまずかったりナポリタンがマーガリンまみれだったりしていましたがおいしくいただきました。

 

そしてTCC当日。朝8時に集合してこの日も下見へ。下見、みんなでワイワイ楽しくできるので今考えたら一番楽しかったかも。

女神湖への途中、ため池も視察。女神湖で湖畔を歩いたのち「御泉水自然公園」なる場所を発見。車で行けるとのこと。とりあえず行ってみることに。そしたら意外といい場所。コケの森、前日の場所にはなかったサルオガセと紅葉の組み合わせ、トリカブトやリンドウなどのお花も豊富。これなら5人が好きなものを撮れてバリエーションも作れる、ということで当日の朝、急遽第一候補に。

そして、、、ついに大会の開始!

 

タイムスケジュールを練ってまずは自然園へ。

あらかじめ「コケと落ち葉」「サルオガセと紅葉」「リンドウなどの植物」で絵が作れそうだったのでそれぞれ役割分担もしながら自分らしい絵を探して歩きました。

僕はこんな作品を。

以下二枚は提出作品



全部で6枚作らなくてはいけないため1日目で4枚は作品をつくりたいところ。自然園で何とか3枚ほどは作れたかな、、、(結局1枚は落選)

 

次にため池。うまく作品撮りきれなかった場所です。

水面や引きでも作品作れそうだったのですが。。。

以下1枚は提出作品

蓼科大滝へ移動。もうすでに夕暮れ時。西日が入る渓流。日の当たり方が刻々と変わるためめちゃ急いで撮影してました。夕暮れの光で何個かバリエーション作りたかったので。結果、3つほどバリエーション作れて2枚提出作品になりました。

 

以下二枚が提出作品。

ここで、乙女滝に行くかどうかの悩みどころでしたが「他のチームがいそう」「バリエーションが作れない」という理由で日の入りまで蓼科大滝で撮影しました。

 

最後に御射鹿池へ。暗くなり始めた観光地には人がおらず、「工夫で何とかしてみよう」という命題のもと、撮影時間の18時まで粘って撮影。「縦ブラシ」など幽玄な雰囲気を出そうと頑張ったりしながらもみんな不発だったよう。これにて1日目終了!

さて、ごはんどうしようか???

ぼく「焼肉食べたい、、、デス」といったら焼肉にしてくれた優しいチームメイト。ホテルの近くですぐにはいれる「カルビ屋三夢」へ。

「牛タン食べよ」「あれ?食べ放題のほうがお得じゃん」「プレミアムコースの食べ放題にしよう」ということで食べ放題注文。あれ?写真のセレクトしてないよ!!!

まあ、楽しければいいですね。(牛タンが固い、ロースがダメ、冷麵の麺がまずい、でもカルビなかなかいける、アイス食べて帰ろ)

ということで満腹でホテルへ。

みんなで作品を持ち合ってセレクト作業。ただ、つべこべ言わずに出したいものを出そうよっていうスタンス。むしろみんなで作品鑑賞会、満腹でアルコールが入っている僕は夢うつつ。もう23時、明日は3時起き。

 

なんとか起きて3時半出発。なんかいけない時間に宿を出る「脱出」をしていた中高時代の泊り行事の時みたいな感覚。女神湖へ。

女神湖につくと月光フォトのお時間。個人的に好きな世界なので何とか一枚作品を作りたかった。なんとか作って日の出。みんなが楽しく撮っている時になんか撮るものなくてボヤーと。「なんで退屈そうにしているのかわからなかった」とチームメイトに言われるも自分でもわからず(笑)でもそれでいいのです。

以下一枚が提出作品

最後に再び蓼科大滝へ。なんでも撮れるからもう一度。前日は光に気を取られてしまったのでフラットな条件で再度挑戦。時間も短かく後ろ髪をひかれながら撮影完了!

ガストで6枚を選定。めちゃギリギリで決めて茅野市民会館へ。

 

試合は午後だったので審査員の傾向をみて写真を決めようとしましたが

「まったくわからない!!!」

ということで「自分の一押しを強豪ええねん!関西さん、いい塩梅のものを1試合目に」という結論へ。昼ご飯を食べながら各々の意見と全体のバランスを見て出す作品を決定。

 

いよいよ試合へ。

僕の一試合目はこの対決。

作品は左

本心、「勝った」と思いましたが、なぜか惨敗。

相手の作品に対する評価コメントを聞きましたが、うーんそういわれてもなぁ、という感じ。

この作品は月光の強くもなく弱くもない麗しい雰囲気を表現し、小さな風景に宇宙空間に浮かぶ月を入れ込むことでちょっとした違和感も味わえる作品にしたつもり。地べたの緑や少し秋色になっている部分をボケで色として入れ込むことで彩も鮮やかにしました。会場に見に来てくれた僕をよく知る学生時代の友達からは「君が撮ったという前提があってみると良さがわかる」という意見ももらいました。まあ、ジャッジに寄せているわけじゃないのでいいのですが。。。

 

僕の惨敗もありチームも敗北。

2試合目はこの対決。

作品は右

これは票が割れるかもなーという意見。これなら、負けても勝ってもしかたないな、と。ただ、森を35mmでスナップ的に撮りながら西日を開放のボケで自分が感じた温かい西日の森のちょっとした浮遊感を表現したのが分かってくれたらいいなって思っていました。票を入れてくれたジャッジからはそのような意見をもらえたので負けたのは悔しですが悔いなし。

ただ、チームは2連敗を喫し、ゲームエンド。。。

 

結果優勝はチーム「風フォト」さん。おめでとうございます!!!最後まで作品力が落ちずに戦略も素晴らしかったです。学生時代の友達が2人出てたこともありその点はちょっと悔しいですが、もしあのチームの一員でも果たして違う写真を撮っていただろうか。足を引っ張らなかっただろうか、と考えると「漢ジャニ6」が一番楽しめた環境だったな、と思いました。三村キャプテンをはじめ、作品に真摯でワイワイ楽しく、真剣に写真を撮っておいしいものを一緒に食べてくれたチームメイトの4人には感謝しています。ありがとうございました!いい思い出になりました!試合後の打ち上げはまたも「焼肉」3日で3回焼肉。食費で2万円超え。茅野市の経済をたくさん回した5人組。まさに「大人の遠足」。来年もできたらいいな。

対戦してくだったチームOMシステムさん、ええねん!関西さん、ありがとうございました。そして、藤森・永原両編集長、水島教授、審査員の先生方、開催に尽力下さった皆様ありがとうございました。楽しい思い出、愉快な5人組、時間制限のなかで頭を使うスリルある撮影、見に来てくれた学生時代の友達との久しぶりの再会、現地での様々な方との出会い、すべてはTCCをリアルで開催してくださったからこそです。もう一度お礼を言わせてください。ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

独断と偏見による温泉ランキング2021-2022

 


撮影がうまくいかなくても、日々の仕事で疲れてしまっても、温かく包んでリラックスさせてくれるのが温泉。温泉がないとQOLがガクッと下がるくらい大事な存在。

特に、北海道は温泉の種類が豊富とも言われております。

以前、おすすめを5つ紹介

camerakuma.hatenablog.com

しましたが、もっとたくさんいい湯に入ってきたので2021年以降に入った温泉で勝手にランキング付け!!!

「いいよね!」と共感してもらえたり、「行ってみたい!」と思ってもらえたらという願いを込めて、、、11位から!

 

11位

祝梅温泉(北海道・千歳市
350円
訪問:2022年3月

泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉

 

一見温泉施設には見えない、民家のような建物。しかし、お湯は入る者を驚かせます。

そのお湯は「北海道遺産」にもなっているモール泉。ここのモール泉はひと味違うのです。濃い茶色ぬるぬるしていて、重たい感じがたまりません!関東にいた頃はモール泉といえば甲府のイメージでした(山口温泉を筆頭に)が北海道のモール泉は関東よりも重さを感じます。その中でも1番がここ、祝梅温泉というわけです。

内湯しかないわけですが、湯気の立ちこもった内湯に冬の低い光が差し込むと非常にいい雰囲気。昔ながらの銭湯の雰囲気かと思いきや、脱衣所には女将さんの趣味なのか若者が聞くPOPな音楽が流れているアンバランスさもランキング入りした所以です。

 

10位

二股らじうむ温泉(北海道・長万部町)

1100円

訪問:2022年5月

泉質:ナトリウム・カルシウムー塩化物泉

 

はいはい、「北海道スタンダード」の塩化物泉じゃん(勝手に命名)、と勝手に括られては困ります。その名にあるように「らじうむ」つまり放射性物質が多く含まれているという珍しいお湯なんです。ラジウムといえば、これまた山梨の増富温泉が有名ですが、入った感触はこちらの方が良い気がします。(ほら、放射性物質で感じることできないから)茶色みのがかった湯の花が湯葉のようなマクを作るほどの濃厚な泉質。なんと言ってもそのお湯が長い年月をかけて作り出した「石灰ドーム」を眺めながら混浴の露天風呂に浸かれる訳です。これは最高。

プール」なるものもあり(こちらは水着可)、「プールにわざわざ行かないよ」という大人もビート板でバタ足できます!(うん、たのしかった笑)

湯治メインのお宿ですので「治ったよ」体験談がたくさん。あと、なぜか「京都議定」を大切にしているそうで「京都議定」決められたとおりCO2排出制限のためアイドリングを禁止しています。ええ、それはいいんですけど、「京都議定所」ってどこですかっっっw

 

9位

国見温泉・石塚旅館(岩手県雫石町

600円

訪問:2022年6月

泉質:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉

 

ここは、色が全てを表しています。「緑の湯」なんです!硫化水素がしっかりする緑のおいしい(諸説有り、硫黄泉としては飲みやすかった)お湯です。エメラルドグリーンのお湯に浸かっていると入浴剤かと思うほど。湯の花はお湯の中をウヨウヨしているし、浴槽の端にはその湯の花が沈殿。そんな地球の神秘を感じる事ができるのが魅力です。

東北のお湯らしく、熱め設定。旅館の蛇口からは全て駒ヶ岳わき水(9度)が出ており、お湯上がりの体に染み渡ります。

 

8位

湯ノ岱温泉(北海道・上ノ国町

400円

訪問:2022年5月

泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性中性温泉)

 

道内随一の「炭酸泉」(自分調べ)。なぜか温度が40度ほどあっても泡付きが結構いい。の成分が多く、浴槽は温泉成分による造形美が楽しめる。炭酸泉、個人的に好きなのでほかに特徴がなくてもランキングに入ってきます(笑)

7位

恐山温泉青森県むつ市

500円(入山料)

訪問:2022年6月

泉質:硫化水素含有酸性緑ばん泉

 

なんとお寺の境内に温泉があるんです!!!しかも、元々は参拝する前に体をお清めする意味もあったのだとか。木造の小屋で床も木なわけで建物も最高。それだけでもう、価値が高いお湯ですね。泉質も強い硫黄泉で白濁しているので文句なし。恐山が火山につくられた恩恵をダイレクトに感じることのできる温泉です。硫化水素対策で窓を開けるように書いてあるのもいいですね。硫黄が強いので顔を洗わないように、と書いてあるんですけど、そこまでじゃなかった気が(笑)

恐山温泉は4つあり、3つ(男湯1,女湯2)は境内のわかりやすいところなのですが一つ(混浴)は少し離れているので頑張って探してみてください。

 

6位

白骨温泉・泡の湯(長野県・松本市

1000円

訪問:2021年1月、2022年2月

泉質: 含硫黄-カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩温泉(硫化水素型)

 

ここのお湯は2つの楽しみ方が!

一つは、新鮮なお湯は透明で炭酸泉なのです!硫化水素の香りを楽しみながら炭酸を楽しめます。

もう一つは、、、空気に触れると白濁するので乳白色のお湯に!そのお湯を露天風呂(混浴)で楽しめるのです!この大露天風呂を雪見風呂で入るのがなんともいい雰囲気で至福な時間なのです。冬がおすすめです。ぜひ。

 

5位

湯の峰温泉・つぼ湯(和歌山県田辺市

700円

訪問:2021年12月

泉質:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉

 

日本最古の湯熊野古道の一部として「世界遺産」に登録されている唯一の温泉!河原に沸いたお湯を2-3人しか入れない岩湯の形で入浴できます。湯船も斜めになっており「昔から沸いていたんだなぁ」と思いをはせることができます。小さいお湯なので30分の入れ替え制。いわば貸し切り風呂なので誰にも邪魔されずにお湯を堪能できます。お湯自体はスタンダードな硫黄泉といいましょうか。近くには熊野大社もあるため歴史好きにはたまらないと思います。歴史のない島、北海道から来た人間としてはもう、メロメロですね💦



4位

谷地温泉青森県十和田市

600円

訪問:2021年3月、2021年10月、2022年4月

泉質:単純温泉(低張性弱酸性低温泉)・単純硫黄温泉「硫化水素型」(低張性弱酸性温泉)

 

ここのお湯は個性的な泉質ではないもののとてもお気に入りな温泉の一つ。近くに有名な酸ヶ湯温泉がありますが、個人的には秘境感があって人も少ないこちらのほうがおすすめなのです。

2つの源泉があり、一つは白濁した硫黄泉、もう一つがこの温泉の目玉である透明なお湯です。足元沸出なのです!ぬるめの透明な湯と適温の白濁した湯に交互に入るのが楽しみ方。木造の湯舟と建物で非常に雰囲気抜群。泉質や言葉では伝えきれない良さがあるのでぜひ。

ランチには目の前の池で飼われているイワナのお造りも頂けちゃうのでおなかをすかせて行きましょう!



 

トップ3はもう、入るだけで疲れちゃう極上の湯たちです!

 

3位

別府温泉・温泉保養ランド(大分県別府市

1500円

訪問:2021年3月

泉質:酸性明緑礬泉、硫黄泉

 

はい、温泉県大分県の登場です。別府と言ったら知らない人はいないほどの温泉地ですが、その中でもこのお湯はすさまじい!なんと、「紺屋地獄」という地獄が温泉になっているのです!いろいろと湯船はありますが何と言っても数段の階段を下りて向かう「泥湯」が素晴らしい。もう、硫黄成分が強すぎて目が染みてくるほどです。床に溜まった泥で泥パックが楽しめる珍しいお湯で、泥湯の中でも日本一だと思います。

大きな混浴の露天風呂(泥湯)もありスケール感も泉質もすべてが満足のいく最高の明礬泉です。すばらしい。これは入らないと損です。あ、近くには「塚原温泉」という日本で二番目の酸性の温泉があるのでぜひ一緒に。で、日本一の酸性泉といえば・・・



 

2位

玉川温泉秋田県仙北市

800円

訪問:2021年10月

泉質:酸性-含二酸化炭素・鉄塩化物温泉

 

そうです、日本で一番酸性のお湯はここ、玉川温泉です!なんと、玉川温泉のお湯が川に流れ込むことで田沢湖が酸性になってしまいお魚さんが死滅してしまった過去が。それくらい酸性が強いのです。Phでいうと、、、Ph1.17!!!いやー。すごいです、入ってみると本当に皮膚がピリピリ。ひっかいた跡などがあればめちゃしみます。湯船はそんな強酸性の湯が刺激的すぎるので50%に中和したものもあり、長くつかることが出ができます。もちろん100%の湯舟もあるので無理せずにお湯を楽しみましょう。

また、玉川温泉といえば、散策路がありそこではゴザをひいて天然の地熱で岩盤浴ができちゃうんです。もくもく湧き上がる蒸気と硫化水素の香りの中で岩盤浴なんて贅沢ですね!飲泉もできまして、本当にお酢を飲むよりもやばいのでちゃんと水で薄めて飲みましょう。過去一でまずい(ほめている)温泉です!最高!

ちなみに、少し南に「新玉川温泉」というおしゃれな温泉ホテルもありまして、カップルでくるならこちらのほうがおすすめ。館内きれいだし、お湯はほぼ同じ、浴室のつくりもほぼ同じ上に露天風呂まであります。

 

1位

豊富温泉

510円

訪問:2021年7月

泉質:含よう素-ナトリウム-塩化物温泉(高張性弱アルカリ性温泉)・ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(高張性弱アルカリ性低温泉)

 

栄光の一位は(北海道をよいしょして)豊富温泉!ここはなんと言っても湯船に油が浮いている温泉なのです!油ですよ、油。ほんとに油臭がするんです。なんか汚そう、と思われる方もいるかもしれませんが、アトピー性皮膚炎の治療に使われるくらい体に良く効く温泉なのです。しかも、油臭のするお湯に浸かるわけで、これがまた「疲れる」のです(ほめてます)。油の温泉と言えば、新津温泉や氷見温泉が有名ですが、残念ながらどちらも行ったことがないので比較はできてないです、、、

温泉街もたいしたことなければ、湯治場として歴史を感じるわけでもなく、秘境の温泉でもないわけですが、茶色に濁った油臭のお湯を味わいに稚内の手前、豊富温泉まで来る価値があります。

食堂の鹿肉ジンギスカンもおすすめ!



 

 

ということでおすすめの温泉11選でした。

他にも2021年以降に入った温泉でおすすめを列挙(順不同)

・和琴温泉(屈斜路湖畔、無料)

吹上温泉十勝岳山麓、星見風呂が最高、無料)

十勝岳温泉(十勝岳登山口、絶景の茶色い濁り湯)

酸ヶ湯温泉(THE王道)

鳴子温泉・高友旅館(黒湯、雰囲気もgood)

長峰温泉(信州中野

古遠部温泉碇ヶ関、源泉どばどば)

乳頭温泉・鶴の湯(泊まってみたい)

不老不死温泉(確かに、海!)

・松之山温泉(中越、温泉水でつくったミストが大好評らしい優しい湯)

和倉温泉(とにかくしょっぱい)

湯の山温泉御在所山麓)

・白鳥温泉(えびの高原、蒸し湯が良い)

などなど

 

今年もたくさんいい湯にはいるぞ!

 

「北海道」を撮るということ 1年が経って

こんばんは。

ひとつ前の記事↓

 

camerakuma.hatenablog.com

で振り返った写真展も無事終わり、一息ついていたらもう4月。新年度がスタートしてしまいました。時間の流れは早いもので働き始めてからはや1年。「社会人」ってすごく遠い存在だと思っていたし、自分がなれるとも思っていなかった(?)のにちゃっかりできちゃっています。

そして北海道に来てからも1年が経ちました。たったの1年でわからないことばかり。北海道の「スタメン選手」を追いかけるので精いっぱいな1年だったともいえます。そういう意味でもちゃっかり道民ですね。ちゃっかり社会人とちゃっかり道民。本当の意味での一人前になるにはあと何年ずつかかるのでしょうかね。こればかりは時間が必要な気がします。

 

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この一年、自分はどのように北海道に向き合ってきたのか。考えてみる。

北海道といえば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。広大な大地と広い空でしょうか。具体的に上げてみると羊蹄山五稜郭の桜、積丹の青い海、旭岳に美瑛の丘、大雪山の日本一早い紅葉やアイスバブルにダイヤモンドダスト、そして流氷。
パッと書き出しただけでもこんなにも。「観光」や「絶景」というとどうしてもこのようなものばかりが出てきてしまいます。確かにそれぞれが美しく、魅力的であることは間違いないのですが、それをそのまま撮ること自体にあまり意味を見い出していません。

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春を待つ羊蹄山

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五稜郭の桜

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積丹の青い海

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嵐の後のような美瑛の丘



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旭岳の紅葉

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高原高原の鮮やかな色

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定番のダイヤモンドダスト

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流氷

そのまま撮る、とはどういうことか。よく言われることであるが、英語の“PHOTOGRAPH”は「光の絵」、という意味。その日本語訳である「写真」は「真(実)を写す」という意味。つまり、目の前の光景を写すだけが写真ではないということだが、どうも日本語が「写真」なだけに目の前のものをしっかりと写すことが「写真」であるように感じてしまいやすいのだろうか。

まさに、絶景などをそのまま撮る撮り方は「写真」かもしれない。それに対して、撮り手のテーマに沿う形で目の前の光を自由自在に操って2次元の平面空間に落とし込む撮り方が”PHOTOGRAPH”であるともいえるかもしれない。もちろんこれは私の勝手な見方ではある。どちらがいいとか悪いとかそういう話ではない。媒体や場所によって求められる、期待される写真は変わってくる。ただ、自分はできるだけ「PHOTOGRAPH」であるようにシャッターを切ってきたつもりだが、どうもそうなりきれていないように感じる。

 

ちょうど1年が経ったということで道内で撮った作品を並べてみたい。

いわゆる「北海道らしい」作品は皆無であろう。ただ、じゃあ、なんなのか、と言われると軸がブレすぎているのは一目瞭然だ。好きなものをファインダーの中で追い続けるだけのやり方とは学生時代におさらばすべきだったのにまだダラダラと続けてしまっていた。

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テーマ探しとはなんなのだろう。

それこそ「自分自身」なのかもしれない。自分自身としっかりと向き合ってきたのか。うわべだけの楽しさだけを求めてて核心へは踏み込んでいないのではないか。表現したい物を追い続ける楽しさでないといけないはずだ。自分から「逃げ」てはいないか。この1年の写真を見返すと感じる物足りなさ。それこそが「自分自身」なのかもしれない。

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北海道は本州と風土も文化も歴史も景観も全て異なる。それに戸惑い、驚き、楽しんできた1年だった。ただ、23年間住んだ本州と1年住んだ北海道、どっちが肌感覚に合うかと言われたらいうまでもなく本州であるし、本州のさまざまなこと(植生、気候、集落、文化などなど)を羨ましく思うことも少なくない。「本州の方が面白いじゃん」と。ただ、その姿勢こそ受け身であり、「自分」を持てていれば北海道でも本州でも関係なく撮りたい物を見つけてカメラを向け続けることができるはずだ。

これから、北海道をどう切り取っていこうか、「北海道」ってなんだろう、そして「自分自身」ってなんだろう。

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北海道の遠くまで広がる森の海

仕事の時間も含めて考えながら過ごす2年目にしたい。



 

 

 

 

 

 

写真展「pulsation~鼓動~」を終えて

久しぶりの投稿ですね。

1月28日から3月3日まで1ヶ月以上もの間、富士フォトギャラリー銀座のオープンスペースにて小規模ながら写真展を行わせていただきました。

機会をくださった方々には改めてお礼申し上げます。

そして、新型コロナウイルス感染症拡大による蔓延防止期間であったにもかかわらずにお越しくださった方々、ありがとうございました!

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写真展をおこなうにあたり、ここ2~3年の写真を見返してみました。ちょうど風景写真を撮り始めたのが大学1年生の秋から。最初は綺麗な景色を求めていましたが、2年生の秋ころからだんだんと自分の心の赴くままに風景を切り取るようになりました。

 

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大学1年の頃の写真

季節ものの写真も多く撮ってきましたが、やはり自分の中では地球が見せる様々な表情を見せたい、気がつきました。温泉が好きなのもどこかで繋がっているのかもしれません。できる限り場所性を排除して波や雲や雪が作る形や星や火山の美しさなどを写そうとしてきました。

 

今回パネルにした5枚の作品は以下の5点。今の自分の表現できるだけのものを出したつもり。見せたかったのは2枚目と5枚目。力強い地球の鼓動が表象している部分をどっしりとした表現を試みました。

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とはいえ、撮影地は有名な場所ベースで行ってしまう自分が。もちろん、作例写真には興味ないのでカメラを向けることはないのですが、もっと息するように撮らなきゃダメなのかな、と。

 

そして、一番感じたことは、やはり、その場その場でいかに自分が「感動した」と思った場面を撮ったとしてもそれが写真を並べた時に必ずしも意味をなすわけではないということ。今まで、大学時代にサークルの写真展では全体の中の一部でしかなかったため、頭では分かっていた(組写真やフォトブックを作る際に感じてはいた)ものの、ここまで大きなショックとして浮かび上がることは今までありませんでした。

そして、風景写真だとついつい綺麗だったり自然が見せる美しい表情に目がいってしまうのですが、それは作品としてありのままを写してもポストカードにしかなり得ない。逆に、それをいかに自分の世界に引き込むか、絶景ではない風景をいかに自分の世界に引き込んで魅せていくか。この作業の連続なのかもしれません。

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展示したポートフォリオの中より



そのためには、本当に自分が向き合えるテーマに沿った撮影をしなくてはいけない。ただ、風景が好きで、自然が好きで、写真が好きで、というのを繰り返してはこれ以上先のものは生まれてこないということに強く気がつくことができた展示でもあります。

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展示したポートフォリオの中より

会期中、マンボウ期間だったこともあり、2日しか在廊できませんでした。その中でも多くのお褒めの言葉もいただきました。特に5枚目の作品が人気で自分もお気に入りの一枚だったので嬉しく思います。ただ、会期を終え、自分で100%納得できた展示ではなく(展示をする人にとってそれが当然のことなのかもしれませんが)より良いものを作るためにどうしたらいいのかを考えている日々です。(この2週間、仕事が忙しくて実はそんな余裕がなかったりするのですが笑)

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展示したポートフォリオの中より

その反動というか、シャッターをたくさん切れなくなっている、頭で考えてやめちゃっている気がします。テーマに出会うためにも現場で色々なことを感じるためにもできる限りカメラを持ってうろちょろしないと、と思っています。あとは学生時代から色々な写真家さんの影響を受けているのでそれが色濃く残っているのは仕方ないのかもしれません。自分色をもっと出せるように意識はしているのですがすぐには変えられないようです。とはいっても焦っても意味はありません。楽しく、時には悩みながら一歩でも先の表現をできるようにやっていきたいです。

今度は、もっと大きな展示をできるように。

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展示したポートフォリオの中より

タバスキーが教えてくれたコト

 日本農業新聞7月1日付の紙面から8回にわたって連載されていた「変わりゆく山村留学」の記事を読んで、懐かしくなってしまった山梨県丹波山村。(現在は北海道鹿追町が特集されています)2018年にFUPC(日本学生写真部連盟)の夏合宿で訪れたのが最初で最後でした。ただ、丹波山にはどこか引っ掛かるようなものがあり、それが記事で思い出されたのかもしれません。今、自分が欲している感覚のようにも感じたので過去の写真を漁ってみることにしました。大学2年の時の写真たちなので期待しないでご覧ください。(笑)

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村のキャラクター、タバスキー

まず、記事では

丹波山は規模感から村の課題解決を児童が提案し、村が真剣に検討し、実現したアイデアもある

・多くの留学生の親が村の新たな価値作りを支援している

・村に残った若い世代が伝統を引き継ぐ活動をしている

などが話題に。

村の広報を読むと今年の地域おこし協力隊もなんと8人が着任するなど外からの人が多く村に来て生活されていることがわかります。
丹波山は昔ながらの小さな村の生活を守りながら新しい価値を村外にアピールしている村と言えそうです。

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クリの落とし物

 多摩川の源流にあたり、田畑などが少ない丹波山村。人口500人ちょっと。ただ、多くの人が想像する「田舎暮らし」とは少し異なっている気がします。国道411号奥多摩湖側から登ってくると小さな集落があり、その先に役場や学校道の駅などがある大きな集落が出てきます。これでほぼ、人の住む地域は終わりです。山に囲まれ、川沿いの平地にぎゅっとできた村。主集落内はほぼ歩いて行き来できるほどの面積。まるで北海道の自治体と真逆。それだけ、地域の人の距離や結束も強いのかもしれません。この村の特徴であり強みとも言えるでしょう。

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民家がぎゅっと集まっている

 頑張って3年も前の記憶を辿ってみると、四方を山に囲まれた国道を歩いただけでどこかタイムスリップしたような街道の風景に出会えたり、蔵が気になって一歩民家と民家の路地に入り込むとおばちゃんたちが談笑している。

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山に飲み込まれていくようなガードレール

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小学校には私と同じ1997年に生まれたキャラクターの「タバスキー」が遊び、山からの湧水が民家と民家の間から湧き出し、生活用水になっている。

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夜には星が瞬き、山なので雲が村にさまざまな表情を作る。
一泊二日の短い滞在、しかも歩きでしか移動していないのにもかかわらず、村のいいところをいっぺんに体感したかのような充実感があった気がします。

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この感覚も「宿場」であった歴史が関係しているのかもしれません。昔は交通手段が歩きしかなかったわけで。甲州と青梅を結ぶ「裏甲州街道」として発展した丹波山は人間の身体感覚に無理のない土地の使い方、家の建て方、住民同士の繋がりがあるのかもしれません。このように考えると、意識していなくても「歴史」の層を堪能してきたのだと気付かされます。古文書を読むわけでも遺跡を発掘するわけでもないですが、ちゃんとそこには「歴史」が写っている。北海道は開発でアイヌの歴史が可視化できない形になり、その開拓のわずかな歴史が上書きされています。

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 本州にいるときには当たり前すぎて気がつかなかったこと。これからも一つ、二つと気がついていくのかもしれません。それってすごいことでありがたいこと。でも、北海道にはない景観は撮れません。ただ、開拓150年の歴史は写っているはずで、今の自分の色眼鏡を通すとそこに「意味」や「価値」を見出そうとできないのだと思います。何をどう撮るか。引越し後の課題であるのです。コロナもあり、北海道に来てから民家や田畑にレンズを向けることがほぼないのですが、「コロナだから」とか「自分の感覚に触れないから」と避けていたら単なる言い訳に過ぎないかもしれません。道内で自分が好きな自治体を早く見つけたいものです。そのためには自分が進化していかなくては。いろんな視点を持てる人にならなくては。タバスキーが教えてくれたことです。

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